2013-08-21から1日間の記事一覧

戦国真田紀行 2

海野平の戦い 五月というから現代の暦に直せば盛夏である。濃い緑の森に覆われた峠道を、一群の武士団とその家族が先を急いでいた。あるものは馬の背にのり、あるものは徒歩であったが、彼らはいちように疲れた足取りを運んでいた。中には手負いのものもいた…

戦国真田紀行 1

信州小県の中心都市上田から真田を抜け、上州に至る国道一四四号線は、上信国境で鳥居峠を越える。 大正から昭和にかけて一世を風靡した立川文庫の『猿飛佐助』では、佐助の生まれをこの辺りとしている。 すなわち、「処は信州鳥居峠の麓に鷲塚佐太夫と云う…